約20年前、税理士試験に挑戦していた私は、
試験勉強を始めて約4年で財務諸表論に合格し、翌年続けて簿記論にも合格することができた。
その時点で税理士試験の勉強を始めてから5年以上が経過していたため、焦りを感じていた私はボリュームの少ない酒税を試験科目として選択した。そして、わずかな勉強時間で一発合格することができた。
この勢いで次の科目も取ってしまおうと思い、
次の科目も、比較的ボリュームの少ない固定資産税を選択することにした。
これが大きな間違いだった。
結局、固定資産税で再びスランプに突入し
4年間もの長きにわたり科目合格をすることができなかった。
固定資産税は本当にやっててつまらない科目だった。
ただひたすら暗記をし、暗記したものを試験でひたすら書く。
ただそれだけの科目である。
しかも、固定資産税は役所が税額を決める税金なので、
試験勉強の過程で得た知識を実務でほとんど生かすことができない。
固定資産税を勉強した4年間は、本当に無駄な4年間だったと思う。
また、酒税の知識も、実務で生かせる機会はほとんどない。
なぜなら、酒税は酒の製造者や輸入者に課せられる税金だからだ。
そのようなお客様との関わりがない限り、酒税の知識は実務で生かせることはほとんどない。
ボリュームの少ない科目は、一見受かりやすそうに思われがちだが決してそんなことはない。他の受験生との差がつかないから、頑張っても報われることがない。バクチの世界である。
安易にボリュームの少ない科目を選ぶと後悔するかもしれない。
不合格の沼にはまった時、勉強時間に費やした時間が無駄になってしまう可能性も高い。
受験科目はよく考えて選択すべきだ。
