確定申告書の一本化

【令和4年分の変更点】

確定申告の時期が近づいてきました。
令和4年分の所得税の確定申告の変更点については、マネクリの記事がわかりやすくまとめています。

今回の変更点で一番大きいのは、副業による所得の区分だと思います。
2022年、副業による収入が300万円以下だと雑所得になるという話が突然に湧いて出てきました。
これに関しては、私もパブリックコメントで反対意見を提出しました。
結果的には、副業収入300万円以下は全て雑所得になるという強引な線引きは無くなりました。
いかんせん、線引きが完全に無くなったわけではありません。
事業所得とするには「帳簿書類の保存」が必要となります。
また、帳簿書類の保存があったとしても、一定の金額の要件を満たなさい場合には、雑所得とされてしまうリスクが残っています。これについては、時間があれば別途詳しく説明したいと思います。

今回は、確定申告の一本化にスポットを当ててお話します。

【確定申告書の一本化】

令和4年分から、所得税の確定申告書が一本化されることになりました。
令和3年分までは、確定申告書はAとBに分かれていました。
Aがサラリーマン用の簡易な申告書、Bが事業所得等を網羅した申告書という位置付けでした。
なぜこれが一本化されたのか理由はよくわかりません。

ただ、申告書が2種類あるとそれによって色々と無駄が生じますので、一本化によって無駄が排除されて良かったというのが個人的な感想です。
無駄というのは、具体的には、システムの無駄、用紙の無駄です。

【システムの無駄】

私はかつて某老舗会計ソフト会社で働いていました。
携わっていたのは、各種税務申告ソフトの開発です。

昔・・・20年位前の話ですが、確定申告は何種類にも種類が分かれていました。
A,Bなんてシンプルなものではありません。
一般、分離、青、白、OCR用、手書き用・・・確かこんな感じです。
確定申告書は、少なくとも10種類以上に分かれていました。
この種類ごとに税務ソフトの入力フォームを作ったり、
出力用紙の設定をしたりというのは発狂するような面倒な作業でした。
あの頃の開発者としての勤務により忍耐力が相当養われたと思っています。

昔を知る開発者にとっては、申告書の一本化はきっと喜ばしい改正だろうと思います。

【用紙の無駄】

確定申告書の一本化により、税務署は用紙を2種類用意する必要が無くなりました。
税務署側の手間やコストは多少削減されることになるのかもしれません。
税務署から発送される用紙類については、無駄が多いと感じることが度々あります。
減らせる所は減らして行くよう努めてほしいと思います。

ただ、紙の納付書の交付はケチらないでもらいたい。
まだまだ現金商売をやられている方は多くいらっしゃいますので。

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