R9年から改正
現在、国会で審議中の令和8年度税制改正案には、確定申告に影響する重要な内容が数多く盛り込まれています。
・基礎控除の引き上げ
・少額減価償却資産の特例の増額(30万円未満 → 40万円未満)
・消費税の3割特例の創設
・暗号資産の分離課税化
・青色申告特別控除額の改正 など
今回は、この中から多くの方に関係する「青色申告特別控除額の改正」について解説します。
青色申告特別控除は、事業所得や不動産所得から一定額を差し引ける制度です。
現在は「10万円・55万円・65万円」の3段階ですが、令和9年分の確定申告から、さらに高い控除額が新設される予定です。
現在、e-Tax(電子申告)を利用して65万円控除を受けている方は、特定の要件を満たすことで控除額が75万円へと10万円増額されます。
【改正後】 現在の65万円控除 + 「優良な電子帳簿」の備え付け = 75万円控除
(2026/4/5追記:上記の改正は令和8年3月31日に国会で可決され、官報にて公布・施行済です。)
優良な電子帳簿とは
75万円控除を受けるための鍵となるのが「優良な電子帳簿」です。これは単にPCで帳簿を付けるだけでなく、国税庁が定める以下の要件を満たす必要があります。
- 訂正・削除・追加の履歴が残ること
- 帳簿同士のデータが連携していること(相互関連性)
- 日付・金額・取引先で検索ができること
お手持ちの会計ソフトが対応しているかは、JIIMA(日本文書情報マネジメント協会)の認証リストで確認できます。
有名な会計ソフトの多くは対応していますが、一部未対応のものもあるため注意が必要です。
知っておきたい注意点
控除額が増える一方で、留意すべき点もあります。
- ソフトの制約: 上述の通り、要件を満たす特定の会計ソフトを利用しなければなりません。
- 税務調査時の透明性: 優良な電子帳簿は「いつ、誰が、どう直したか」のログがすべて残ります。
不自然な修正や後からの辻褄合わせが、以前よりも明確に把握される可能性があります。
当事務所では、この「透明性が高まる」という側面も丁寧にご説明した上で、導入の是非をお客様と一緒に判断したいと考えています。
適用を受けるための手続
令和9年分から75万円控除を受けるには、令和9年の最初の取引から優良な電子帳簿の形式で記録を開始する必要があります。
会計ソフトによっては、事前の設定が必要です。
また、適用には届出書の提出が必要です。こちらは事後でも大丈夫です。
期限: 令和10年3月15日まで(令和9年分の確定申告から適用を受ける場合)
当事務所で使用している「ACELINK NX Pro(ミロク情報サービス)」は、優良な電子帳簿の要件を完全に満たしています。
そのため、当事務所が関与させていただいているお客様については、スムーズに75万円控除の適用を受けることが可能です。
節税メリットを最大化したい個人事業主の方は、ぜひお気軽にご相談ください。


